ローテーション - 後編 | INDIGO DREAMING

ローテーション - 後編

午後になり上司のウィル が私のところにやってきてこう言いました。

「さっきジェレミーが僕のところに来て君がどんな人か聞いて来たよ。」

げげっ

ジェレミーがウィルに聞いて来たということは、人事がジェレミーに私が秘書でどうかと打診している証拠です。

「で、何て答えたの?」

「ふつーに目が二つあって、鼻が一つあって、口が一つあって・・・」

「・・・・・」(ウィルらしい ウケないユーモアセンス)

「いや、とっても優秀ないい秘書だって答えておいたよ。」

「ええ~? なんでダメな秘書だって言ってくれなかったの?
ディクタフォンの出来はひどいよって言ってくれれば良かったのに~・・」

ウィルはハッと事態が呑み込めたようで

「I'm sorry, Oh, I'm sorry.......」を連発します。


さんざん連絡不通を装っていた人事は金曜夕方5時の終業時間ギリギリになってやっと私に電話してきました。

「月曜日からアレンの代わりにジェレミーの秘書やってほしいんだけど・・・」

ホットポテト を投げ渡されました。

しかも周りがみな退散して他に受け取る者が誰もいないタイミングで・・・

ハラワタが煮えくりかえる思いでした。私だってNO!って叫びたい・・・

でもダダをこねて人事の手をやかす困ったちゃん秘書達と同類にはなりたくありません。
あくまでプロフェッショナルに対応をしなければ・・・。

こうして私は1ヶ月だけ試験的に彼の秘書として働いてみて、その後再評価するという条件を出してジェレミーの秘書を引き受けることになったのでございます。