アマチュア卒業記念日 | INDIGO DREAMING

アマチュア卒業記念日

彼は4月のCD発売記念ライブの何日か前に、あるホテルのパブでライブを行った。
平日の夜だったけど、私も仕事帰りにカメラマン役で付き添った。
本当はタバコの煙が苦手だし、仕事の格好で行くと浮くから
こういう場所はなるべく来たくないんだけど
HPやプロモ用の写真を出来るだけ撮っとかなきゃいけない。

ライブ

ここはけっこう音楽好きな人達が集まる場所として知られてるパブで
有名なバントが下積み時代に出演したりしてる場所。
音響スタッフも腕がいい。

夫が歌い始めたときにはテーブルに10人
カウンターに15人くらい人がいて
ビール片手にがやがやしてた。

ところが不思議なことが起こった。

ギターの美しい音色が響き渡り
パブの中がシーンと静まり返ったのだ。

すごくいい出来だ。
皆が金縛りにあったように聞き入っているのが肌でわかった。
今までこのパブに何度も足を運んでるけどこんなこと初めてだった。

いつもはハラハラして聞いてる私だけど
その日は私も彼の音楽の世界に完全に引き込まれてた。


よくここまで来たね

そう思ったら、じーんとして
あふれた涙で目の前がぼやけた。


演奏が終わってCDを買いにきてくれた聴衆の1人が彼にサインを依頼した。

びっくりした。
初サイン体験。

この調子でCD発売記念ライブも頑張るのだ~!

っと思ったが、当日はいつもの音響スタッフが風邪で
代打の人がPAシステムに慣れてなくてあまり良く聞こえなかったし
彼は彼でギターのカポの位置を変え忘れるというドジをやらかすし

観客を酔わせたあの日のライブの再現はならなかった。

でも、彼は確実に一つ上の段階に移行したのだ。
もう後戻りすることはない。

おめでとう。

 
ブルースギターのしらべ CD付