マイケルジャクソンの死から学ぶべきこと | INDIGO DREAMING

マイケルジャクソンの死から学ぶべきこと

マイケルジャクソンさんが亡くなってから早2週間になる。
訃報の第一報の時はそんなにショックを受けたわけでもなかったのだけど、何かもやもやした気持ちがずっと尾を引いて頭から離れなかった。

それは彼が世紀のスーパースターだったからだけではなく、今までのタブロイド紙による MJ バッシングが、特にファンというわけでもなかった私でもうんざりするくらい病的に悪質だったことも関係していた。
私は内容の大半が作り話で出来ているタブロイド紙なんて絶対買わないけど、会社帰りに駅とかで配られる無料誌は、(下品な)英語の勉強になるのでもらって通勤電車の中で読んでいた。
毎日くだらない記事に目を通してると、誰を持ち上げて誰を引きずりおろしたいのかというメディアの意図が透けて見えてくる。メディアがマイケルジャクソンを社会的に抹殺したがっているのは明らかだった。

スターが狙われる理由は以下のようなものがあると思う。
1. 成功者に対する妬み・嫉妬
2. 寄生虫や事業相手による金目当ての謀略
3. 政治的/社会的影響力を削ぐための支配者による妨害

スターの凋落は社会に不満を持つ大衆の憂さ晴らしのタネになる。バカ丸出しの自虐キャラが受けるのと同じ理由でB層の大衆はかつてのスターをこき下ろして優越感に浸りたいのだ。
2の場合、特に無防備で騙しやすいチャイルドスターはいいカモで、薬漬けにされたりしてつぶされた例を挙げれば切りがない。マイケルジャクソンはビートルズの版権を所有していたこともあり金目当ての謀略や損害賠償請求の容易なターゲットだった。

MJ の場合、1、2の理由がほとんどなんだろうなと思っていたのだけど、復活コンサート直前の訃報を聞いた後、活動再開した直後に暗殺されたジョンレノンと重ね合わせてしまい、3の可能性もあったのではないかと考えざるを得なくなった。

そして MJの曲の歌詞とか活動歴とか一通り目を通してみて、「やっぱり」と胸が痛くなった。歌詞はマイケルの心の叫びであふれていた。
80年代に学生時代を送った世代だからファンでなくても「 We are the World」でアフリカ救済活動に関わってたくらいは知ってたけど、あれはライブエイドの二番煎じの米版だし、それ以上のことを特にやっているとは思っていなかった。
しかし実際、彼はメディアの干渉と闘いながらも積極的に平和活動や人権保護に取り組んでいた。歌詞、ビデオ、ツアーを通してメッセージを伝え、莫大な資金を恵まれない子供達を救済する活動に投じていた。

人種差別に対する激しい怒りが描かれた後半が全米で放送禁止になった「Black or White」 PV


彼が社会的な曲を書くようになるのと同じ時期に MJ 攻撃はひどくなっていき、ネオコンブッシュ政権下では醜悪だった。執拗さはダイアナ妃並みだったし、貶め方は植草一秀さん等と共通するものがあった。
MJを陥れて財産を手放させたいハイエナ達とメディアを支配している権力者の利害が一致したために、メディアのMJバッシングに歯止めがかからなくなってしまったのだろう。ストレスで壊れてしまわない方がおかしいレベルだ。


MJ の死亡ニュースを TV でやっていた時に、ディーパック・チョプラが友人としてインタビューを受けていた。
「なんでこの人が友人なのに、マイケルを救ってあげられなかったんだろうね」と言ったら、うちの夫が「いや、きっと救われてたんじゃないの」とつぶやいた。
なるほど、だから彼は普通の人間なら2年で参ってしまうところを20年も耐えられたのかもしれないと思いなおした。

MJは、2005年3月、詐欺の前科持ちの親子が訴えた性的虐待疑惑の裁判でえん罪を晴らす2ヶ月前というメディアバッシングの最中に、市民権活動家のジェシー・ジャクソンによるかなり長い電話インタビューを受けている。
インタビュアーが良いからなのだろうが、 YouTube にアップされているものの中でもマイケルが警戒せずによくしゃべっている秀逸なインタビューなので英語がわかる人はぜひ聴いてみてほしい。

Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 1
Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 2
Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 3
Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 4
Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 5
Michael Jackson Interview with Jesse Jackson Part 6

これを聴くと、MJ がいかに知性と品性にあふれ、繊細ながらも精神的に強靭な人物であったかがわかる。これほど自分が苦しい時だというのに、希望を失わず、インタビューの最後の方ではアフリカの人々のために将来やりたい活動のビジョンを生き生きと語っているのだ。医食同源を重んじ、西洋医学よりナチュラルなホリスティック医学を志向していたこともわかる。

MJ の死によって多くの人が改めて彼のやってきたことを理解し、偉大な人物だった、素晴らしい功績を残した、と褒めそやしては彼の死を嘆いている。彼のメッセージはより広い層に伝わった。

しかし、果たしてそれだけで満足して良いのだろうか?
911事件を機に、一般人のメディアリテラシーは高まって来てはいるし、真実を伝えないマスゴミに対する批判も強まってはいる。
でも、私たちはダイアナ妃の死から学ばなかった。
パパラッチを野放しにして好き放題書かせ、マイケルジャクソンを見殺しにした。
(MJはビートルズの版権を死守したし最後まで負けなかったという見方も出来るけど、一度着せられた汚名を簡単にぬぐい去ることは出来なかった)
いまだに一時資料にあたることもせず受け売りの噂話を信じる単細胞が大勢いる。

私たちはいつまで嘘で固められたゴシップ記事を必要としなければならないのだろう。
今頃、心の奥底で良心の呵責に苛まれているマスゴミ関係者もいるだろうけど、各ジャーナリストに反省を期待したりゴシップ記事を無視するだけでは、またほとぼりが冷めたところで次の犠牲者を出してしまうことになるのではないかと思う。誰もがボノみたいに権力とわたりあいサバイバルできるしたたかさを持っているわけではないのだ。

他人の中傷記事をねつ造して飯を食っているインチキ寄生ジャーナリストこそ社会的に抹殺されるべきであり、私たちはイカサマなメディアの情報操作にもっと声を挙げる必要があると思う。

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