INDIGO DREAMING -3ページ目

海の使者*

この夢 は私が普段見るようなちょっと暗めの夢とは全く違う不思議な夢だった。

南国の海の夢を見た記憶は後にも先にもこの一度だけだ。

夢の前半は至福の気分に包まれていた。
その至福感は夢が覚めても残っていた。

太古の・・・穢れのない世界という感じがした。

その何ともいい難い懐かしい感覚が妙に粘り着き、日記に留めておいたのだ。
だから日付が残ってる。

あまりにも印象深い夢だった割にはこの夢の意味するところはわからない。

海外移住を控えて新しい人生の転機として見たのだろうか。

後半の密使のくだりは、何だか敵の管理するメディアの海の中で真実を伝えようともがいている現代のメッセンジャー達を想起させる。

ジェイムズ・ヒルマン, 實川 幹朗
夢はよみの国から

海の使者

青く輝く海。

私は茶色い木をくりぬいた細長いカヌーでひとりその海の上を漕いでいた。

私の肌の上にはとても暖かい日差しがふりそそぎ、さわわやかな風が髪をくすぐる。

海といってもほとんど波はなく、カヌーは穏やかに海上をすべるように進む。

海はおどろくほど透明で、きらきら光るさざなみの下にゆらめく珊瑚のじゅうたんが、一面に見渡せる。珊瑚礁はカヌーの下から1メートルほどのところにひろがっているのでとても浅いところを漕いでいるような安心感があった。

海はいくつかのテリトリーにわかれていたようだ。
私は何かの理由で別のカヌーに乗った人と共に少し遠い村にいくことになる。

しかし、そこへ行くには危険をおかさなければならない。
敵のテリトリーを通って行かなければならないのだ。

そこで私たちはやはり敵に見つかってしまい射撃される。

敵の襲撃をなんとかかわすものの、よけすぎて海路を誤ると突然大きな流れに巻込まれることになるので巧みな櫂さばきが必要だ。
その流れはますます急になり、突然滝のように落ち込むのである。

海なので岩や谷底にぶつかるわけではないが、そのすさまじい水量の流れにはまれば、カヌーは転覆し、そしてひとたまりもなく砕け散ってしまうかもしれない。

私はなんとかその流れにのまれずにすみ、一心不乱に村へと急ぐ。

早く・・・早く・・・

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日本から海外に引っ越す直前の1997年5月に見た夢



野田 知佑, 藤岡 牧夫
笹舟のカヌー

社会的責任投資

今年の3月から企業年金のファンド選択の幅が10倍くらい広がった。
その中に念願のEthical Investment Fundが入っていたので早速切り替える手続きをした。

Ethical Investment Fundというのは、まあ日本のエコファンドみたいなものなのだが
武器やタバコの製造、ギャンブルなどに携わっている企業は投資の対象外にして、
環境に優しい企業など優先して投資するファンドなのだ。

いくら私の企業年金がスズメの涙程度だとはいえ、
自分の金がアメリカの景気対策戦争に貢献するなんてまっぴらご免だ。
心理的に重荷になっていたことが解決して良かった。


「年金のEthical Investmentへの切り替え」は私が去年20個くらい書き出した目標達成リストに入っていた一つ。
来年7月の私の誕生日を期限とした目標リストのうち最初に達成した。

残りの項目は追い追い書いていくことになると思うけど
「家のローン完済」というロマンのかけらもない目標や
「きれい好きになっている」という今の生活から考えると逆立ちしてもありえネーゼ的な目標も混じっている。

まっ、夢は大きく。

一歩一歩ゆっくり進みたい。

水口 剛, 松本 恒雄
社会的責任投資(SRI)の基礎知識

入院

熱が下がらなくて病院に連れて行かれた私はそのまま入院した。

猩紅熱だった。

隔離病棟で3週間近くの入院。

おかげで楽しみにしていた幼稚園の卒園式に出られなかった。

お星様のお遊戯に出る予定だったのに・・・

母と妹が後から荷物を持って来てくれた。

妹が「すっごく大きな注射でこわかったね~。お姉ちゃんの腕と同じ太さだったよ」と言った。

母も「よく泣かないで頑張ったね」と言った。

点滴したことなんてきれいさっぱり忘れていたのに

必死にこらえて我慢していた記憶を呼び覚まされてしまった。

家族から離れた独りぼっちの夜。

寂しかったのは家でも同じだったけど

それに輪をかけて寂しくて退屈だった。

毎朝、舌をチェックしに来てた看護婦さんが

「もうそろそろ退院だよ」

と言ってくれ、お風呂に入る許可が出た。

病室から薄暗い廊下をつたって独りで入る 初めての人影のないお風呂。

お化けが出そうで怖かった。

シャンプーハットがないから、気をつけて洗った。

シャンプーが目に入って泣いても誰も気がついてくれないのだから。

北国の3月はまだまだ寒かった。

細谷 亮太
小児病棟の四季

浮遊

最強のウルトラマンが怪獣に負けてしまう5歳の子供にとっては驚愕の最終回。

番組を見てる途中で頭がクラクラしていつもより早く寝かされた。

高熱が下がらなかった。

おばあちゃんが面倒を見に来てくれていた。

たんすの引き出しからぶら下げた氷嚢を額にあてて私は一日中熱にうなされていた。

目が覚めたらもう夜中になっていて家族が私の周りで雑魚寝していた。

右側におばあちゃんが寝ていた。

と、思ったらおばあちゃんが寝たままふわ~っと浮き上がった。

おばあちゃん!

声にならない心の叫びを発しながら父母に知らせようと左側を見るが皆ぐっすりと寝入っている。

そのうち祖母の体がゆっくりと下降して来て床に戻った。

すると今度は父の体が上昇しはじめ1メートルくらいのところでとまった。

私以外は誰も気づいていない。

今度は母の体がゆっくりと浮遊しはじめる。

こわくてこわくて誰かに気づいて欲しかった。

家族は浮かんでとまってはまた沈むということを順番に繰り返す。

誰も起きない。

そしてとうとう自分の番が来た。

体が上昇して行く。

イヤだ、イヤだ、助けて!

もがいても上へ昇って行く。

おばあちゃん、気がついて! おばあちゃん!

一定のところで上昇はとまり、またゆっくりと下降した。

生きた心地がしなかった。


翌朝、母にこの話をしたら「熱にうかされて変な夢見たのよ」

と言われて終わりだった。

「夢じゃないよ! 本当にあったんだよ!
実際に体験して、この目で確かに見たんだよ!」

としばらく真剣に訴えていた記憶がある。

それくらい夢と現実の区別のつかない体験だった。

ハピネット・ピクチャーズ
DVD ウルトラマン VOL.10

ウルトラマン

怪獣に追われて一生懸命に逃げる。

アパートの裏の山に向かって走る。

その先には懸命に逃げる父と母の後姿が見えたが、どんどん遠くなってしまう。

一人になってしまった不安でいっぱいになったところへウルトラマンが前からやってくる。


助かった!!!



と思ったのもつかのま、ウルトラマンが私に向かって襲ってくる。


5才の私は恐怖のあまり声にならない叫びにのどを震わせながら

怪獣とウルトラマンの両方から逃げようと方向転換する

が、所詮逃げきれるものではない。

ひざに力が入らず体が前に進まない。

あせりで心臓はこれ以上早くならないほどに鼓動する。



もうだめだ、絶体絶命!



と目をつぶったところで目が覚める。

体が汗でぐっしょりしている。


宮西 達也
いとしのウルトラマン

さよなら悲別

父が転職することになった。
しぼんでいく炭鉱の町の病院から賑やかな港町の病院へ。
父にとってはキャリア・アップだった。
「遠いところにお引越しするんだよ。」
「ねえ、ゆっくんにまた会える?
今川のおじさんとおばさんにもまた会える?」
「しょっちゅうは会えなくなるけどまた会えるよ。
今川のおじさんは手伝いに来てくれるから着いたらすぐ会えるよ。」
「よかった~。すぐ会えるんだね。」
今川のおじさんとおばさんは私のことをとても可愛がってくれていた。
「新しい町で幼稚園に通い始めたらお友達もいっぱい出来るよ。」
新しい町に行く不安はあまりなかった。
でもゆっくんと一緒に遊べなくなるのは残念だった。
車が発進した。
見送りの人たちが遠くなっていく。
窓から一生懸命手を振った。
「バイバイ、バイバイ、悲別」

メディア戦争に想う

このブログを始めて1年にそろそろというところで初の誹謗コメントがついた。

こんなマイナーブログにまでやって来るとは感心するがホワイトバンドの記事 だから納得。
(しかし私もお子ちゃま相手に大人気ない返事書いたな・・・と反省・・・)

誹謗中傷コメントには2種類あると思う。

一つはネガティブな個人または愉快犯による嫌がらせ。
もう一つは組織的な扇動・打撃工作によるもの。

少し前に政府が「2ch対策班」を作り、政府に批判的な意見を口汚く罵り、「荒らし」をしているという疑惑が浮上した。
イラク人質事件等で暗躍したとか言われており真偽はわからないが、本当であったとしても別に驚かない。

情報戦にはいろいろあるけど最近身近にあったもので思いついたものを挙げてみる。

■扇動・攻撃

組織的なネット攻撃の犠牲になったホワイトバンド活動もそうだけど、メディア攻撃が話題になった最近の事件といえば「ムネオ事件」。
ベストセラーになった佐藤優の「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 」を読んで愕然とした人も多いはず。
最も著者自身、実名出すのはキャリア生命の終った人達だけだったり、何をするにもマフィアに頼まなきゃ事が進まなかった新生ロシアをキレイにまとめすぎだったり、自分に火の粉がかからないよう余計なことは一切書いてないので、この本を鵜呑みにするのも危険だけど。

とにかくメディアが手のひらを返したようにどこかを攻撃し始めたときはちょっと立ち止まって考えたほうがいい。

■注意そらし

権力の座にある人ってのは便利でいいよねえ。
自分の方に火の粉がかかりそうになってきたら、ばーんと大きなトップニュースがタイミングよく紙面をにぎわしてくれるのだ。

トップニュースに出来そうな奴等は目をつけて泳がせておいて、自分がやばくなったときの隠れ蓑にする。あるいは身内を切ってトカゲの尻尾切りにする。

エンロン事件「ニュース劇場」の二番煎じとも言われてるホリエモン逮捕で話題になってるライブドア事件も、耐震偽装ビル事件からの「注意そらし」じゃないかとネット上で指摘されたりしてた。
その筋では逮捕は予想されてたみたいだから真相はわからないけど、神戸の震災の日と耐震偽装ビルの小嶋社長の証人喚問の日が重なってメディアに騒ぎ立てられるのを喜ばない人が糸を引いてその前の晩の逮捕に至ったとしてもおかしくはない。


この手口はオウム心理教の手入れの時に経験済みだし、ひっかかる日本人は少なくなってきてるんじゃないかなと思いたい。


姉歯ビル事件で責任追及の矛先が土建政治屋に向けられた矢先のあのタイミングがとーっても気になる。

とホリエモン逮捕直後に私に言った人は、実はネットサイトなんてもちろん見ない私の母なのだから。

お茶の間の主婦をあなどってはいけない・・・

とにかく突拍子もないタイミングで最低3日は一面が埋まる事件が出てきたら「ニュース劇場」かも・・・と考えてみる価値はあるよね。


■けん制


タイミングといえば今回の紀子様ご懐妊ニュースもすごい・・・

小泉首相の皇室典範改正案国会提出直前にすべりこみぎりぎりセーフって感じだろうか。

妊娠6週間で公式発表なんて・・・

普通だったらもうちょっと待つよなあ・・・

紀子様もこれから心労続きそうでちょっと同情・・・



■挑発

デンマークの Jyllands-Posten紙を皮切りに、「言論の自由」を楯にムハンマドの風刺漫画を掲載してる欧州各紙・・・

映画「ハルク 」に出てくる一場面で主人公をハルク化させようとさんざん傷つけて挑発した男を思い出しちゃう・・・

イスラム教徒をテロリスト化させて儲かる人達は今ごろ含み笑いしてんのかな。



■無報道で徹底無視

ここ何週間だか、この国ではず~っと在住日本人は肩身の狭い思いをしてた。
連日連夜、日本政府のやってることがゴールデンタイムのニュースで流れ、オピニオンリーダーが意見や法的解釈を述べてたりして国民の注目を集めてた。

で、いったい日本ではこのニュースはどう報道されてるんだろうと思ってあちこちニュースサイトを検索してみたんだけど・・・
完璧に無視してるんだよなあ。かろうじて四国の地方紙がちょっとだけ報じてるだけ・・・
すごいよ、日本の大手メディアの「面倒なことは我関せず」ぶりは。

というか、一般日本人は知らないほうがいいニュースと勝手に判断してる気もする。
普段、外国メディアが日本について報道したらすぐに飛びつくくせにさ。
まあ、この捕鯨ビジネスも土建ビジネスと同じで裏のほうでダークな利権絡んでそうだしなあ・・。

一方の側からの情報だけ報道して、もう一方の側からの情報は徹底無視ということはよくある話。
基本的に戦争報道は全部そうだし。


まあ、何を言いたいのかというと
これからますます激しくなる情報戦争の中で
情報に操られずに
盲目にならずに生きて行きたいなぁってこと。

難しいけどね・・・

 
ノーム チョムスキー, Noam Chomsky, 鈴木 主税
メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会

長谷川 慶太郎
情報戦に勝つ技術

ゆっくん

年子の妹が出来て、私の人生はがらっと変わった。

両親の注意は妹ばかりにそそがれ、私はもう構われなくなった。

幸い、隣の家には同い年の男の子ゆっくんがいたので3歳の時はよく一緒に遊んだ。

ある日、私はいつものようにゆっくんと外で遊んでいた。

母は私たちに目を配りながら洗濯物を干していた。

でも、ちょっと目を離した隙に二人は忽然と消えていた。

どこを探してもいない。

必死になって探してみるがどこにもいない!

どうしよう。

ふと、高台の家から国道を見下ろすといつもはガラガラの田舎の道路がひどい渋滞になっていた。

もしや・・・

急いで国道への坂道を走り下る。

「ピーッピーッピッピー!!」
「ピーッピーッピッピー!!」

車のクラクションが聞こえてくる。

まさか事故・・・

真っ青になった母がやっと国道脇に辿り着き見たものは

立ち往生してるたくさんの車・・・

そして、そのど真ん中でお手てつないで立っていたゆっくんと私

北村 年子
おかあさんがもっと自分を好きになる本

昔 悲別で

当時、私は3歳前後だったと思う

父が釣りに出かけるというので私はミミズを捕まえて父にあげた

父は時々私を釣りに連れて行ってくれたが

その日は連れて行ってくれなかった

父の車が去って行った

私が覚えているのはそれだけ


母は、父が私を釣りに連れて行ったとばかり思っていた

父は、母が私の面倒を見ているとばかり思っていた

実際は私は独りぼっちで外にいた


夕闇が訪れた

台所で食事の支度をしていた母は外で獣のような鳴き声を聞いた

「ぎゃ~お~お~お~ん、ぎゃ~お~お~お~ん」

野生の猫のような鳴き声がどんどん激しくなる

不審に思った母が外に出てみると

暗闇の中にぎらりと光る二つの目があった


その黒い物体は猫よりも少しでかいようだ

「ぎゃぁぁああおぉぉぅううぅぉぉぉおおお~ん」


目を凝らしてみて、 母は心臓が凍りつきそうになった

ドブに落っこちて全身まっ黒けの私が力の限りに声をふり絞って泣いていた


母26歳。 妹1歳半。

夢じゃなくて本当にあった話

まだ悲別(正確にいうと「昨日、悲別で 」のモデルになった街)に住んでいた時のこと